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文部科学省「次世代のがんプロフェッショナル養成プラン」採択事業

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文部科学省「次世代のがんプロフェッショナル養成プラン」採択事業

令和5年6月、本学や東京医科歯科大学を含む連携7大学が共同で取り組む「次世代がん医療を担う多職種人材養成プラン」が、文部科学省「次世代のがんプロフェッショナル養成プラン」事業として採択されました。

本学ではこれまでにも、第Ⅰ期として自治医科大学との共同事業「全人的ながん医療の実践者養成」、第Ⅱ期には慶應義塾大学を中心とした連携10大学の共同事業「高度がん医療開発を先導する専門家の養成」、第Ⅲ期には東京医科歯科大学を中心とした、がん医療の新たなニーズに対応できる「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」の育成プログラムとして、平成30年4月より、「ライフステージに対応したがんプロフェッショナル多職種協働人材育成コース」および「ゲノム解析医療・希少がん診療に精通した医療者育成コース」を大学院課程に開設し、多職種連携をめざしたがんプロフェッショナル医療人材の育成プログラムに取り組んできました。

第Ⅳ期となる本事業では、これらの成果を継承しつつ、国が定める「第4期がん対策推進基本計画」のもと、①がん医療の現場で顕在化している課題に対応する人材②がん予防の推進を行う人材③新たな治療法を開発できる人材等のがん専門医療人材を養成するべく連携大学と共に推進して参ります。

NEWS
開講予定コース

開始時期 2024年4月

2024年度 本学大学院開講予定コース

①がん医療の現場で顕在化している課題に多職種連携で挑む人材育成コース

概要 正規課程
修了要件
インテンシブコース
修了要件

②がん個別化医療・創薬の推進を目指したゲノム医療やがん免疫療法の開発を担う人材養成コース

概要

③がんのデータサイエンスに基づく予防医療やがんサバイバーケアを推進する人材育成コース

概要

④がん看護CNSコース

開講科目一覧

本学各コースにご参加頂くには、本学大学院修士課程・博士課程等にご入学・ご在籍頂き、履修登録をして頂くことが必要となります。
また7大学連携共通インテンシブコースにつきましては、後日詳細をお知らせいたします。
【がんプロコース修了認定要件】につきましては、「インテンシブ修了要件」の末ページをご参照願います。

文部科学省「次世代のがんプロフェッショナル養成プラン」事業について

がんは、我が国の死因第一位の疾患であり、生涯のうちに約2人に1人が、がんにかかると推計されているなど、国民の生命及び健康にとって重大な問題となっております。

本事業では、第4期がん対策推進基本計画(案)の人材育成の強化として取り組むべき施策とされている、
①がん医療の現場で顕在化している課題に対応する人材
②がん予防の推進を行う人材
③新たな治療法を開発できる人材
等のがん専門医療人材を養成する拠点を大学間連携により形成することを目的としています。

構成7大学連携「次世代がん医療を担う多職種人材養成プラン」事業について

事業の概要

本事業では①現場で顕在化している課題、②予防の推進、③新たな治療法の開発というがん医療のテーマを解決するため「専門的な多職種人材」を養成します。本事業の特色は首都圏の7大学においてチーム医療が実践できる多職種のがん専門医療人の養成プランを開発し、がんの予防、診断・治療、個別化医療、痛みのケア、サバイバーのケアなど全てのステージにおいて集学的治療が提供できる体制を我が国に構築することを目指す点にあります。主要ながん種に加え、造血器腫瘍、小児がん、口腔がん、新規治療法開発なども対象とし、取り残される患者ゼロを目指します。本事業では歯学・薬学領域を含む独自の14のWorking group(WG)を設置し、各校の強みを集結した共通コースによる教育を行うのも特色の1つです。これにより広く受講者を募り、多くの専門的人材を輩出し、地域中核病院等への配置が可能となり、がん医療の均てん化と質の向上に貢献できます。

テーマに関する課題

(1)がん医療の現場で顕在化している課題に対応する人材養」について
①患者の苦痛を理解し寄り添う痛みの治療・ケア、終末期医療を担う専門家、②放射線治療、病理診断、がん薬物療法、造血器腫瘍、小児・稀少がん、口腔がん、がん口腔支持療法などを担う様々な職能を有する医療専門人、③高齢者や心・腎機能に併存疾患を有するがん患者への安全な医療の提供を可能とする学際領域の医療専門人が現場では必要とされていますが、その数は不足しています。本事業では参加校の連携を強化し、人材不足が顕在化しているこれらの専門家を養成して、本課題の解決を目指します。

(2)「がん予防の推進を行う人材養成」について
医療ビッグデータを利用したAI技術の進展により、高精度の診断および予後予測法が開発されてきています。このような高精度の識別能・予測能をがん予防に展開させていくためには、医学や医療の視点からAIの原理を理解するがん専門医療人の養成が必要です。一方、このような予防医療の開発とともに、遺伝情報を患者とその家族に伝達する遺伝医療専門職の養成も同時に行うことが喫緊の課題です。さらに治癒率・生存率の向上が得られている中で、がんサバイバー・家族へのケアが大きな課題となっています。個別性のある医療・ケアの提供は極めて難しく、必要となる基礎的な知識と技能をがん診療に携わる多職種が習得することで、遺伝性腫瘍患者やがんサバイバーに対する誰一人取り残さない全人的なケアが可能となります。

(3)新たな治療法を開発できる人材の養成
がん克服のブレイクスルーを達成するには全ゲノム解析時代を迎え、個別化医療に精通し、基礎および臨床試験を通じて新薬や新規技術の開発と管理を担える人材が必要です。この課題を解決するため、がん治療薬の基本的知識、臨床研究の立案・計画、実施調整、関連する法規制について学び、これらの知識に基づいて創薬ないしレギュラトリーサイエンスを駆使して個々の患者の治療戦略も構築できる人材を養成します。また、医療統計学、ビッグデータやAIを用いたインシリコ創薬、遺伝子療法、細胞療法、がんゲノム医療など最先端の医療技術開発など創薬研究に関する幅広い知識を持った人材も養成します。

構成7大学

概要図

次世代がん医療を担う多職種人材養成プランの図解。首都圏7大学が連携し「①現場で顕在化している課題、②予防の推進、③新たな治療法」を解決を目指しWorking groupを行うことで、多職種の専門的医療人の排出・継続可能な教育システムの構築・がん医療の均てん化と質の向上に繋げる、を表した図