社会連携講座 Social Collaboration Course
「食・栄養と健康」社会連携講座
講座概要
本講座は、日本の食文化と健康課題を踏まえ、科学的根拠に基づいた「食と栄養」の在り方を解明し、その成果を社会実装へとつなげることを目的として設置されました。
味の素株式会社、株式会社 明治との連携のもと、国際的に通用する研究成果の創出と次世代を担う人材育成を推進します。
- 設置期間:2025年4月1日~2030年3月31日
- 設置場所:国際医療福祉大学 赤坂キャンパス W棟9階
- 連携機関:味の素株式会社、株式会社 明治
- 教員:山本 尚子、津金 昌一郎、野村 周平、山岸 万里菜 ほか
「食・栄養と健康」社会連携講座は、日本の食文化と健康課題に向き合いながら、科学的根拠に基づいた知見を社会に届けることをめざしています。
企業・団体との連携を軸に、大学院教育、共同研究、公開講座など、誰もが関われる、"開かれた学びと実践の場"を提供します。
ウェブサイト
2025年12月下旬 公開予定
講座の目的
*今後の研究の展開により変更される可能性があります。
本講座は、日本人の健康長寿に寄与する要因を「食と栄養」の視点から体系的に評価し、不足するエビデンスを既存のコホート研究等を活用して補完することで、日本人にとって健康的な食事を明らかにし、国際的に通用するエビデンスを整理します。また、研究成果を政策・社会へ効果的に伝達する手法を開発し、公衆衛生の実践に資することを目的としています。さらに、栄養疫学・公衆栄養学の系統的教育・研究プログラムを大学院専門職課程に提供することにより、次世代を担う教育・研究・実務者の育成に取り組みます。
研究活動
本講座の研究活動は、以下の3つの柱を中心に展開します。
1. エビデンスの整理と構築
- 国内外の原著論文やメタ解析を参照し、日本の食文化と健康課題を考慮した「食・栄養と健康」に関する国際的に通用するエビデンスを整理します。
2. エビデンスに基づいた「健康的な食」の検討
- 既存のコホート研究を活用し、不足するデータを補完するとともに、食品や栄養素の摂取量のみならず、栄養素の比率、調理・加工の特性、さらに世界保健機関(WHO)が提唱する「Adequate(適切)」「Balanced(均衡)」「Moderate(節度)」「Diverse(多様性)」といった原則も考慮し、日本人の健康に資する「健康な食」を検討します。
3. 社会実装
- 研究成果を政策立案者や社会に効果的に伝えるためのアドボカシー・コミュニケーション手法を開発し、人材育成を含めて国際社会への発信を強化します。
教育・人材育成
教育活動は、大学院教育と社会普及を両輪として展開します。
1. 公衆衛生専門職大学院における人材養成
- 「栄養疫学・公衆栄養学概論」(15コマ・2単位)の系統講義を開講し、食と栄養をめぐる社会課題を解決するための高度な専門能力を持つ人材を養成します。
- 「食・栄養と健康」をテーマとする課題研究の指導を行い、実践的研究力を涵養します。
2. 次世代研究者・教育者の育成
- 若手の准教授や助教の採用により、教育者・研究者のキャリア形成を支援します。
- 博士課程において「食・栄養と健康」をテーマとした研究指導を実施(予定)するとともに、研究員を配置し、研究体制の充実を図ります。
3. 社会への知識普及
- 講座専用ホームページの開設や広報活動を通じ、科学的に正確な情報を社会に提供します。
- 公開講座「乃木坂スクール」を開講し、広く市民や実務者に学びの機会を提供します。
社会との接点
1. 多様なステークホルダーとの連携
- 味の素株式会社、株式会社 明治、日本栄養士会などと連携し、社会との繋がりの中で活動します。
2. アドボカシーの実践
- 日本の栄養課題への理解を深め、提言や発信を通じて変革を促します。
3. プラットフォームの提供
- 「食・栄養と健康」をともに考える場となるプラットフォームの提供と、ネットワークの構築を行います。