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基礎医学研究センター

センター長のご挨拶

洲鎌 秀永 
基礎医学研究センター長 教授

群馬大学医学部卒業、同大学院博士課程修了(生理学系)、医学博士、医師。群馬大学、米・コーネル大学バーク医学研究所、米・スクリプス研究所、日本医科大学を経て国際医療福祉大学に赴任。日本生理学会、日本神経免疫学会、北米神経科学学会。

 大田原キャンパスの基礎医学研究センターでは当センター所属教員、薬学部・保健医療学部教員、国際医療福祉大学病院及び関連病院医師、大学院生、卒業研究学生が、大学院棟の研究施設で研究を行っています。研究内容は、生理機能、形態解析、薬理作用解析、行動解析などのin vivoの実験から、培養細胞を用いたin vitroの実験まで、個体から蛋白・遺伝子レベルまでを扱います。研究テーマは各研究者によって多岐に渡っていますが、その中でも主眼としておりますのは、地域、社会に還元できる研究を目指しております。また、研究の指針に、四つの基準を据えております。それは、独創性(Originality)、普遍性(Universality)、重要性(Significance)、そして有用性(Application)です。これらの基準に照らし合わせ、個々の研究者・学生が情報を交換しながら、日々、切磋琢磨しております。当研究所の研究環境・設備は着実に整いつつあります。それらを最大限に活用し、国内国外の研究機関とも連携、協力し、高い目標を見据え、今後の研究活動に取り組んでまいります。

令和5年4月
基礎医学研究センター長
 洲鎌 秀永

基礎医学研究センターについて

■基礎医学研究施設の管理運営

L棟2階の基礎医学研究施設には、専門領域の研究室として、分子生物学研究室、機能研究室、形態研究室があり、基礎医学研究センターの各管理責任者が常駐し、この領域における教育と研究の指導にあたっております。各研究室のホームページで、管理責任者は研究室に常備されている研究機器と現在行われている研究内容、及び、どのような研究に対応し、指導できるかを明らかにしております。また、共同研究室として、動物室、細胞培養室、遺伝子組み換え(P2)施設を完備しており、遺伝子改変マウスや細胞をはじめとした、遺伝子組み換え実験と研究に対応できる環境を整えつつあります。

各研究室のご紹介

■機能学研究室

機能学研究室は洲鎌が管理をしています。機能学研究室では麻酔下の小動物(ラットなど)を対象として、各種自律機能(血圧、心拍数、組織血流、自律神経活動など)を測定することが可能です。意識下ラットの情動機能を評価する行動生理実験を行うことも可能です。又、ストレス実験、ステレオタキシス手術を行い、脳内でのミクログリアや神経細胞の機能・形態的応答を、組織化学(immunohistochemistry, in-situ hybridization)、生化学的手法(蛋白、RNA, DNA解析)を用いて研究を行っています。更に、遺伝子改変動物や薬物などを用いて、脳内炎症、神経変性とそのメカニズムを明らかにする実験を行っております。これらの研究は、ストレス(精神的・肉体的)が及ぼす退行性変性疾患、認知症、精神疾患(うつ病)、不眠症などの臨床疾患に及ぼす機構を解明する基礎的研究になります。

■形態学研究室

形態学研究室は、飯島、山口が管理をしています。この研究室では形態学的な手法(免疫組織化学、in situ hybridization、脳組織培養、動物の行動測定)によって研究を進めることが出来ます。研究室の設備としては、細胞・組織の調整・固定からパラフィン切片や凍結切片の作製・染色が可能であり、研究室に設置された正立蛍光顕微鏡、倒立位相差顕微鏡、倒立蛍光顕微鏡(微分干渉、カルシウム・イメージング)で、観察・画像取得が可能です。その他、共焦点レーザー顕微鏡(Olympus: FV1200)、DNAシークエンサー、実体顕微鏡、バーチャルスライドシステム、フローサイトメーター、分光光度計、インキュベーターを備え、実験動物のマイクロサージェリーや、化学反応実験も可能です。

■分子生物学研究室

分子生物学研究室は山口が管理をしています。フローサイトメーター、セルソーター、ナノドロップ、マイクロプレートリーダー、PCRサーマルサイクラー、Step One PlusリアルタイムPCRシステム、ImageQuant LAS4000mini、振とう培養器 、冷却/卓上高速遠心機などが設置され、各種実験・研究に対応できる環境が整っています。


■臨床連携研究室 (再生生殖幹細胞研究室、蛍光顕微鏡室、分子病理解析室、遺伝子解析室)

臨床連携研究室は、島田が管理しています。 主として、動物実験で得られた各種検体やヒト検体(臓器・組織等)の病理組織学的検討を目的とした施設です。蛍光免疫組織染色等の手法を用いて、疾患の分子病理学的解明や予防・治療評価判定に使用しています。また、昨今、注目されているRNA機能研究等にも対応しうる施設構築を目指しています。


■組織学研究室

組織学研究室は、飯島、山口が管理をしております。この研究室では、ティッシュチョッパー、マイクロスライサー、クリーンベンチ、インキュベーターを備え、スライス組織の作製および組織培養を行うことが可能です。また、ハイブリオーブン、振とう機などin situ hybridizationを行うための関連機器を揃えつつあります。最近、ルシフェラーゼ発光をCCDカメラによって測定することで一細胞レベルの発光測定が可能なex vivoイメージングシステム、培養細胞、培養組織全体の発光を長時間に渡り測定可能な長時間リアルタイム発光計測システム(AB-2550 クロノスDio)も導入し、発光測定系を用いた実験を行うことが可能となりました。

■細胞培養研究室

センター施設には、小さいながらも細胞培養室があり、CO2インキュベーターとクリーンベンチと顕微鏡が設置されており、ライン化された細胞の培養だけでなく、神経細胞などプライマリー細胞の培養が可能です。また、隣接のP2施設には、クリーンベンチとCO2インキュベーターとオートクレーブを設置しており、必要なP2実験がおこなえる体制を整えています。培養室とP2施設の管理は山口が行っています。

■動物飼育室

動物室には、平成25年6月に新たに飼育エリア入退準備室が設置されました。 ラット、マウスの短期的研究のための短期飼育エリアと遺伝子組換えマウスなど系統維持と長期的研究のための長期飼育エリアが配置され、湿度・温度管理と換気調節がなされています。また、簡単な手術や測定をおこなうための処置室とケージ洗浄室から構成されています。 年に一度、教育・研究に供された動物に感謝と哀悼の意を表し、動物慰霊祭を行っています。