お知らせ NEWS
「医療福祉分野データサイエンス教育ワークショップ 」 を開催しました
令和7年12月19日(金)、「医療福祉分野データサイエンス教育ワークショップ」を特別講演と事例紹介の2部構成で開催しました。
本ワークショップは、医療福祉分野における数理・データサイエンス・AI教育の教材開発等を目的に、令和6年度からオンライン形式で開催しています。今年度で第2回目の開催となり、学内外から約70名の参加がありました。
特別講演
AIとともに築く新しい学⽣教育のかたち−患者ロールプレイと学⽣メンタルヘルス支援への応⽤
保健医療学部 谷口 敬道 学部長
谷口敬道先生から、2つのAI利活用の事例が紹介されました。
1つ目のChatGPTを使用したAI患者ロールプレイに関する事例では、関与観察の視点や臨床推論などを学ぶ教材としての可能性が示めされるとともに、教育的な有効性および倫理面の検証の必要性が課題として挙げられました。
2つ目の大学生を対象にしたAI搭載型メンタルヘルスアプリの使用が与える影響に関する研究事例では、疾病や障害の有無に関わらず、アプリを使用した大学生には、ストレス反応の低減など一定の効果が見られたことが説明されました。
事例紹介
講演に続いて、本学の先生方4名から教育や研究における事例が紹介されました。
GPS付ドローン線量計を用いた空間線量率測定-データサイエンスへの応用と可能性について-
保健医療学部 放射線・情報科学科 仲田 栄子 教授
仲田栄子先生から、実際にドローンで採取した経度緯度・空間線量測定値・温度データが紹介されました。これらの現実社会で採取されたデータについては、測定環境や気象条件など空間情報を考慮し、ノイズを処理することで初めてその示す意味が見えてくるものである。そのため、学生は多様な要素を想定し、自分で分析を行い段階的に考察できる点で、教育的に有用と思われると説明されました。
仮想MRIの開発と診療放射線技師教育への応用
成田保健医療学部 放射線・情報科学科 椛沢 宏之 教授
椛沢宏之先生から、パソコン上で動作する仮想MRIシステムに関する取組が紹介されました。システムについては、初学者でも簡単に操作方法を学べることをコンセプトに、撮像条件に応じた模擬画像が生成されるよう設計している。そして授業では、撮像条件を指定したうえで、学生が実際に操作し画像を出力する演習を取り入れ、導入学習として活用していることが説明されました。また、データサイエンス領域の観点として、撮像位置と生成画像を記録し解析することで、学生の解剖学等に対する理解度を把握できる可能性が示されました。
新規腫瘍マーカー探索研究と教育応用について
成田保健医療学部 医学検査学科 小林 崇平 准教授
小林崇平先生から、本研究で用いた解析手法を交えながら、教育・授業において臨床検査結果(バイオマーカー)を活用する取組が紹介されました。実際の授業では、初めに分析ツールや統計解析ソフトの使い方を講義し、その後、ソフトを操作し匿名化したバイオマーカーを解析する演習を行って、検査結果の検証に必要な統計処理と解釈方法を学ぶ構成としている。そして、授業終盤にグループワークを通じて発表してもらい、理解を更に深めていると説明されました。
AI×データサイエンスを核とした医学教育-DX時代を支える人材育成モデル-
福岡保健医療学部 医学検査学科 上野 民生 講師
上野民生先生から、データサイエンス教育の内容と教材および教育における生成AIの活用事例が紹介されました。授業では、臨床データとほぼ一致する架空検査データを使用して、学生に箱ひげ図や相関図を作成してもらう演習を取り入れていることや、動きや形のイメージを伝える点で有用な生成AIで作成した細胞の画像等を提示していることが説明されました。また、学生主体の取組として、AIを使用した測定システムの開発状況や、複数のAIツールに臨床検査技師国家試験の問題を解答させAIでも合格できるのか、その検証結果が紹介されました。
事後アンケートでは、テーマに関して「とても良かった」「良かった」の回答が大多数を占め、感想には「先生方の実践例を直接聞くことができ、大変興味深く勉強になった」「実際に活用している例や制作過程までお話が聞けてとても参考になった」「データサイエンスを教育や研究につなげていくために考える機会となった」といった声が寄せられていました。このようなことからも、今回のワークショップは、参加された皆様の数理・データサイエンス・AI教育に関する理解を深める貴重な機会となりました。