薬学研究科 医療・生命薬学専攻

博士課程

現代医療では、その高度化、専門分化に伴い、医療チームによる学際的・統合的医療の実践が必要とされてきており、その中で、より専門性の高い薬剤師の育成が求められてきています。さらに、医療での問題点を抽出して研究に進展させ、問題を解決する能力を身に付けた薬剤師が必要とされています。この様な今日的要請に応えるべく、高度な臨床能力と研究能力を習得した専門薬剤師と薬学研究者の育成を目的に、6年制薬学部教育を基盤とした大学院 薬学研究科 医療・生命薬学専攻(博士課程)を開設しました。

この大学院 薬学研究科 博士課程は、特に、がん・感染症・精神神経疾患等の薬物治療において、豊富な知識と技術、そしてこれらの領域において高度な研究能力を兼ね備えた専門性の高い人材を育成します。さらに、社会人のニーズにも応えたカリキュラム構成をとり、社会人学生の要望に応える大学院ともなっております。

薬物治療学に精通した高度な臨床薬剤師・薬学研究者の育成を目指す
本専攻は、医療薬学、生命薬学の分野における高度な専門的知識と技術を有し、幅広い医療関連分野で活躍しうる、薬物治療学に精通した人材を育成します。特に、がん・感染症・精神神経疾患等の薬物治療において、高度な知識と技術、さらにはその領域に関する研究能力を備えた専門性の高い薬剤師(がん専門薬剤師・がん指導薬剤師、緩和薬物療法認定薬剤師、感染制御専門薬剤師等)や研究者、またこれら人材の指導・教育に携わることができる人材の育成を目標としています。

薬学研究科長
武田 弘志

1977年星薬科大学薬学部卒業、1982年同大学大学院薬学研究科博士課程後期修了後、米国カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部に留学。医学博士、薬学博士。東京医科大学医学部教授(薬理学講座)を経て、現在、国際医療福祉大学薬学部長、大学院薬学研究科長。日本薬理学会理事・研究推進委員長、日本神経精神薬理学会理事・財務委員長、日本緩和医療薬学会理事・財務委員長・編集委員長、日本ストレス学会副理事長・基本問題検討委員長等を歴任。前日本ストレス学会会長(第23回日本ストレス学会学術総会会長)、前日本緩和医療薬学会会長(第5回日本緩和医療薬学会年会会長)。

研究指導担当 専任教員および研究内容

氏名 主な研究指導内容
武田 弘志 ストレス性精神疾患の病態解明と新規治療戦略開発に関する研究
渡邊 敏子 新規医薬品開発を指向したベンズインドール系化合物の合成研究
山田 治美 抗がん薬・感染症治療薬の薬剤適正使用に関する調査および実験的研究
浅野 哲 化学物質の安全性評価とその毒性機序の解明。
疾患の分子病理学的な病態機序の解明。
天野 託 精神神経疾患及び慢性疼痛の病態機能解析と新規治療薬開発
池田 俊也 臨床判断分析モデルを用いた生活習慣病治療薬の経済的価値の算出に関する研究
笠原 忠 免疫・アレルギー学、サイトカインなどの実験指導、臨床開発など
黒澤 美枝子 体性感覚刺激による自律機能変化とその神経機序の解明
体性感覚刺激と脳内神経伝達機能
脊髄損傷と自律神経反応
島田 直樹 臨床調査個人票を利用した難病の疫学研究
白石 昌彦 DNAメチル化による転写制御
角南 明彦 イオンチャネルの構造と機能の解明および創薬への応用
三浦 隆史 神経変性疾患発症メカニズムの構造生物学的研究
百瀬 泰行 薬物治療に関する問題解決のための多角的研究-問題解決能力の育成とPharmaceutical Careと医療連携の実践-
八木 秀樹 リゾリン脂質によるリンパ球移動機構の解明
複数回膜貫通膜たんぱく質に対する新規モノクローナル抗体の作製とその機能の探索
がん転移機構の解明とその阻害薬の探索
山下 勝幸 神経回路形成におけるイオンチャンネル・受容体の機能的役割に関する研究
吉田 明 抗がん薬、特に分子標的薬の作用メカニズムの解明
分子標的薬の耐性獲得メカニズムの解明
トポイソメラーゼ阻害薬によるDNA鎖切断と作用機序の解明
臨床血液学
清水 貴壽 環境因子の細胞への影響とその作用機構に関する研究
辻 稔 ストレス性精神疾患の病態解明と新規治療戦略開発に関する研究
藤井 幹雄 補酵素の立体配座に基づく酵素分類と酵素選択性を持つ化合物の創生
酵素反応を利用した医薬品の合成研究
前澤 佳代子 薬物治療に関する問題解決、エビデンスに基づく薬物適正使用、およびPharmaceutical Careと医療連携実践のための研究
加藤 英明 アルコールおよび薬物依存に関与する病態解析・薬物治療法の開発

入学定員・修業年限・取得できる学位

入学定員:5名
修業年限:4年
取得できる学位:博士(薬学)

特徴

  1. 高度な薬物治療を学ぶことができる専門科目を配置
    がんや精神疾患、感染症、循環器疾患を始めとする種々の疾病に関する薬物療法について学ぶことができます。 たとえば、がんについては免疫学、疫学、病理学、分子生物学等の基盤的知識を習得した上で、がん薬物療法を中心として、集約的治療や外科的治療、緩和医療、精神腫瘍学(サイコオンコロジー)等の最新のがん治療を包括的に理解することができます。
  2. 社会人でも学びやすい環境
    原則として講義は限られた曜日の夜間と土曜日に集中しており、働きながら学ぶ環境が整っています。
  3. 附属病院等の充実
    附属病院等での臨床実習を通じて、個々の患者の疾病に対応した特色ある薬物療法を学ぶことができます。

期待される将来の進路

  1. 高度専門的な臨床薬剤師として、医療機関や保険薬局等で指導的な薬剤師として活躍
  2. 医療機関や企業等に勤務しながら本研究科を修了する者については、当該勤務先でのキャリアアップ
  3. 薬系大学等の教育機関や企業等における研究者や教育者として勤務
  4. 本学附属病院や関連病院における指導的薬剤師として勤務

授業科目

Ⅰ.共通科目
人体病理学特論 1   臨床心理学特論 2
統計学特論(基礎) 2   質的研究法特論 2
統計解析学特論(実践) 2   医療経済評価特論 2
人体機能構造学特論 2   医学研究情報特論 2
疫学特論 2   英語論文執筆特論 2
 
Ⅱ.薬学基礎科目
分子生物ゲノム学特論 1   緩和医療薬学特論 1
レギュラトリーサイエンス特論 1   基礎腫瘍学特論 1
毒性学特論 1   臨床腫瘍学特論 2
基礎薬物治療学特論 2   基礎薬学総合特論 2
臨床薬物治療学特論 2   応用薬学総合特論 2
 
Ⅲ 臨床研修科目
臨床病院特別研修 5   臨床保険薬局特別研修 5
         
Ⅳ.研究指導科目
医療・生命薬学特別研究 16      

※がんプロコースの履修科目は、がんプロフェッショナル養成基盤推進プランの履修科目等をご参照ください。

履修モデル

例) 6年制薬学部を卒業し、高度専門的な臨床薬剤師を目指す

区分 履修授業科目 必・選 1年次 2年次 3年次 4年次 合計
共通科目 人体病理学特論 1       1
臨床心理学特論 2       2
英語論文執筆特論 2       2
疫学特論   2     2
専門講義科目 基礎薬物治療学特論 2       2
臨床薬物治療学特論     2   2
基礎薬学総合特論 2       2
応用薬学総合特論   2     2
臨床研修科目 臨床病院特別研修   5     5
研究指導科目 医療・生命薬学特別研究 16 16
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1年次には、病態の基礎である病理や、臨床での医療従事者に欠かせない患者心理を学びます。「英語論文執筆特論」では、論文作成のために必須となる英語による論文執筆法を学びます。「基礎薬物治療学特論」では、薬物治療学の基礎を学び、「基礎薬学総合特論」では、総合的に薬学を俯瞰し柔軟な研究手法や考え方の基礎を身につけます。

2年次の「疫学特論」では、臨床研究の実践および論文作成に必要な疫学的研究方法を習得します。また、「臨床病院特別研修」の3ヵ月間実習を受けることで、臨床における問題点の発見および問題解決能力を養うことができます。

3年次、「臨床薬物治療学特論」では、感染症などの疾病における最新の知見や、治療薬の臨床応用を含めた専門的知識を習得します。さらに、1年次から4年次にかけての「医療・生命薬学特別研究」では、博士論文作成のため、研究指導教員の指導のもと主体的に研究を遂行して博士論文を完成させます。

授業科目紹介

臨床病院特別研修

臨床病院特別研修では、個々の患者さんの疾病に対応した薬物療法を臨床を通じて学び、疾病や薬物療法について総合的及び具体的に理解できるようになることを目指しています。

医療・生命薬学特別研究

医療・生命薬学特別研究では、医療薬学及び生命薬学分野における高度な研究能力の養成を主眼に、研究姿勢や倫理感とともに、研究に必要な知識・技術及び論文作成の能力の育成を目指しています。

研究施設と設備

核磁気共鳴装置や共焦点レーザー蛍光顕微鏡を始めとして、医療薬学及び生命薬学分野における高度な研究教育活動を実現するための様々な設備が整備されています。

先端漢方医薬学教育研究センター

薬物治療において、西洋医学だけではなく東洋医学にも精通した薬剤師を育成できる、漢方薬学専門の研究機関「先端漢方医薬学教育研究センター」があります。薬物治療の現場では、東洋薬が西洋薬の限界や欠点を補うことから、両方を併用することの有効性が注目されており、同センターにより、西洋薬学と東洋薬学の融合による新たな薬学研究の基盤構築を図ります。

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お問い合わせ・連絡先
国際医療福祉大学大学院 大田原キャンパス薬学事務室
〒324-8501 栃木県大田原市北金丸2600-1
TEL: 0287-24-3481(代表) FAX: 0287-24-3521
E-mail: hami515@iuhw.ac.jp(山田)
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