お知らせ一覧

HOME > お知らせ一覧 > 第2回IUHW国際医学教育シンポジウムが開かれました

第2回IUHW国際医学教育シンポジウムが開かれました

 アジア諸国の医学教育の取り組みと課題を議論する「第2回IUHW国際医学教育シンポジウム」(主催・国際医療福祉大学主催、後援・文部科学省、厚生労働省、外務省、読売新聞社)が3月26日(日)、東京赤坂キャンパスの講堂で開かれました。2018年4月以来の開催となる今回は、2017年4月の医学部開設時に入学した1期生の卒業年度にあたることから、本学医学部の6年間の取り組みも報告されました。
 基調講演では、医学教育学の第一人者である伴信太郎・愛知医科大学医学教育センター特命教育教授が登壇。「これからの医療者教育--日本での取り組みと世界の動向--」をテーマに取り上げ、日本の医学教育制度の変遷を説明したうえで、今後の医学教育の方向性について「包括的で患者中心の臨床実践を深めていく必要がある」と指摘しました。

  • 議論が白熱したパネルディスカッション
    議論が白熱したパネルディスカッション

 医学部を持つ日本、ベトナム、モンゴル、カンボジア、ラオス、インドネシアの計8大学の学長らによるプレゼンテーションでは、最初に本学の赤津晴子医学教育統括センター長が、医学部6年間の革新的な医学教育の実践について報告しました。具体的な成果として、学部生の7人に1人が留学生という欧米の大学と同等の国際色豊かな学修環境、8割の学生が英語による医療面接スキルで英米名門大学の医学部生と同等かそれ以上との評価を受けたこと、日本語能力がゼロだった留学生が日本の医師国家試験に全員合格したことなどを挙げました。他の7大学の学長らは、それぞれの国の医師養成のシステムを説明しました。

  • 挨拶する本学の鈴木康裕学長
    挨拶する本学の鈴木康裕学長
  • 基調講演を行う伴信太郎・愛知医科大学医学教育センター特命教育教授
    基調講演を行う伴信太郎・愛知医科大学医学教育センター特命教育教授
  • パネルディスカッションで座長を務める矢野晴美医学部教授
    パネルディスカッションで座長を務める矢野晴美医学部教授
  • 司会の赤津晴子医学教育統括センター長
    司会の赤津晴子医学教育統括センター長
  • 会場で熱心に耳を傾ける本学留学生ら
    会場で熱心に耳を傾ける本学留学生ら

 3月の医師国家試験に合格したベトナム、カンボジア、モンゴル、インドネシアの4人の留学生も登壇し、世界最大級の施設面積5,338㎡を擁する本学成田キャンパスのシミュレーションセンターにて可能となるアクティブラーニング、90週に及ぶ臨床実習、留学生への日本語教育プログラムなど、本学の特長である医学教育の体験談を率直に語りました。
 本学医学部感染症学教授で医学教育統括センターの矢野晴美副センター長を座長に迎えたパネルディスカッションには、伴特命教育教授のほか、プレゼンテーションした8大学の学長らが参加。矢野副センター長が「教育は世界を変えることができる」と口火を切ると、パネリストの間で「医師免許取得から専門医になるまでのプロセス」「日本の医師国家試験合格者の各国における医療実践について」「医師と患者のコミュニケーションのあり方」などをめぐって白熱した議論が交わされました。
 最後に挨拶した本学の鈴木康裕学長は、チーム医療を提供していくためにプログラム型で学生を中心に据えた教育の必要性を強調。「現在の医学生はこれから40年間、医療を実践していくことになります。求められる知識、能力との溝を埋めるのは生涯教育だと思います。これはすべての国に共通する課題です」と総括して締めくくりました。