A課程の認定看護師教育課程「感染管理」を修了した認定看護師対象の研修
当センターでは、2013年から毎年、感染管理分野の認定看護師教育課程(特定行為研修を組み込んでいないA課程)を7か月間で開講してきました。修了生は200人を超え、そのほとんどが日本看護協会の認定看護師資格を取得しています。認定看護師制度は発足から20年余りが経過し、この間、少子高齢化が進み医療や社会が変化しました。それにより認定看護師に求められる役割や活動の場は拡がっています。これらの変化に応えるために、日本看護協会は認定看護師制度を改正し、2020年から新たに特定行為研修を組み込んだ教育課程(B課程)を開始しました。
上記をふまえ、当センターのこれまでの教育実績を生かしたA課程を修了した感染管理分野の認定看護師対象の特定行為研修を実施します。特定行為研修制度は、チーム医療のキーパーソンである看護師が、患者及び国民並びに医師及び歯科医師その他の医療関係者から期待される役割を十分に担うため、医療安全に配慮し、在宅を含む医療現場において、高度な臨床実践能力を発揮できるよう、自己研鑽を継続する基盤を構築するものです。このため当センターは、本学の基本理念と教育理念に基づき、看護師が手順書により特定行為を行う場合に特に必要とされる実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能の向上をめざします。それにより、看護師の自己研鑽を継続する場を提供し支援するという役割を果たすことを基本理念とします。
本研修の教育目標と到達目標
<教育目標>
1) 高度医療及び地域医療の場において、特定行為を実施するために必要な知識、技術、態度の基本的な能力を養う。
2) 手順書による特定行為の実施判断、実施、報告の一連の流れを適切に行うための実践能力を養う。
3) 看護学的視点に医学的視点を融合した全人的な看護が展開でき、自らの看護実践を見直しつつ標準化する能力を養う。
4) 多職種の専門性を尊重し、「チーム医療・チームケア」に貢献できる知識、技術、態度を養う。
<共通科目の到達目標>
1) 多様な臨床場面において重要な病態の変化や疾患を包括的にいち早くアセスメントする基本的な能力を身につける。
2) 多様な臨床場面において必要な治療を理解し、ケアを導くための基本的な能力を身につける。
3) 多様な臨床場面において患者の安心に配慮しつつ、必要な特定行為を安全に実践する能力を身につける。
4) 問題解決に向けて多職種と効果的に協働する能力を身につける。
5) 自らの看護実践を見直しつつ標準化する能力を身につける。
<区分別科目の到達目標>
1) 多様な臨床場面において当該特定行為を行うための知識、技術及び態度の基礎を身につける。
2) 多様な臨床場面において医師又は歯科医師から手順書による指示を受け、実施の可否の判断、実施及び報告の一連の流れを適切に行うための基礎的な実践能力を身につける。
開講する特定行為区分
感染症の発症は栄養や水分のバランスを崩しかねません。また、感染症の治療は適切かつ的確なタイミングでの薬剤投与が患者の予後はもちろん薬剤耐性菌の予防につながります。そのため、「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」と「感染に係る薬剤投与関連」の2つの区分を実施します。なお、この2区分は、新しい感染管理分野の認定看護師教育課程(B課程)で学ぶ区分です。
研修期間
<2023年度>
2023年4月~10月(約7ヶ月)
出願書類受付期間
2023度研修生募集は終了しました。
詳細は募集要項をご確認ください。
<2023年度>
2022年12月1日(木)~12月23日(金)【必着】
募集定員
10名
研修場所
講義・演習・実習の集合研修は、国際医療福祉大学 九州地区生涯教育センターで行います。
ただし、フィジカルアセスメントの実習のみ、国際医療福祉大学福岡シミュレーション医学センター(福岡県大川市:医療法人社団高邦会高木病院内)で行います。
研修受講要件
① 出願時に、日本看護協会の認定看護師制度に基づく、感染管理分野の認定看護師の資格を有する者
※ 修了した認定看護師教育課程の教育機関や認定看護師経験年数は問いません。
② 現在、日常的に看護実践を行っている者
③ 看護実践において、根拠に基づく知識と実践的経験を応用して、自律的に行うことができ、チーム医療のキーパーソンとして機能することができる者
④ 所属する施設の病院長や所長などの施設管理者の推薦がある者
教科目
1)共通科目
共通科目名 |
研修方法/時間数 |
筆記試験
|
評価方法 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
講義 |
演習 |
実習 |
合計時間 |
|||
臨床病態生理学 |
26 | 4 | - | 30 | 1 | 筆記試験 |
臨床推論 |
15 | 19 | - | 34 | 0.5 | 筆記試験 |
臨床推論:医療面接 |
5 | 1 | 6 | 12 | 1 | 筆記試験 実習の観察評価 |
フィジカルアセスメント:基礎 |
6 | 5 | 12 | 23 | 0.5 | 筆記試験 実習の観察評価 |
フィジカルアセスメント:応用 |
8 | 15 | - | 23 | 0.5 | 筆記試験 |
臨床薬理学:薬物動態 |
8 | 4 | - | 12 | 0.5 | 筆記試験 |
臨床薬理学:薬理作用 |
9 | 3 | - | 12 | 0.5 | 筆記試験 |
臨床薬理学:薬物治療・管理 |
17 | 6 | - | 23 | 0.5 | 筆記試験 |
疾病・臨床病態概論:主要疾患 |
27 | 3 | - | 30 | 1 | 筆記試験 |
疾患・臨床病態概論:状況別 |
2 | 10 | - | 12 | 0.5 | 筆記試験 |
医療安全学:医療倫理 |
8 | 4 | - | 12 | 0.5 | 筆記試験 |
医療安全学:医療安全管理 |
8 | 1 | 3 | 12 | 0.5 | 筆記試験 実習の観察評価 |
チーム医療論(特定行為実践) |
4 | 5 | 3 | 12 | 0.5 | 筆記試験 実習の観察評価 |
特定行為実践 |
6 | 6 | - | 12 | 0.5 | 筆記試験 |
合計時間数 |
149 | 86 | 24 | 259 |
2)区分別科目
区分別科目 |
特定行為 |
研修方法/時間 |
筆記試験 |
実習 |
評価方法 |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|
講義 |
演習 |
合計時間 |
|||||
栄養及び水分管理に係る薬剤 |
共通して学ぶ事項 |
5 |
1 |
18 |
1 |
|
筆記試験 実習の観察評価 |
持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 |
5 |
1 |
5症例 |
||||
脱水症状に対する輸液による補正 |
5 |
1 |
5症例 |
||||
感染に係る |
共通して学ぶ事項 |
9 |
7 |
30 |
1 |
|
筆記試験 実習の観察評価 |
感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与 |
11 |
3 |
5症例 |
||||
合計時間 |
35 |
13 |
48 |
|
|
※ 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連は、eラーニング(個人学習)または集合研修で行う
※ 感染に係る薬剤投与関連は、すべて集合研修で行う
※ 実習の観察評価は実習の時間に含む
臨地実習施設
臨地実習は、研修修了後も特定行為の実践が有効に行われ、継続した指導医の指導と安全に活動する施設基盤を構築できるように、研修生の所属施設での実習を推奨します。ただし、自施設や地域の病院等で実習ができない場合は、当センターの指定する協力施設で実習を行います。
募集要項・出願書類一式について
募集要項、出願書類一式は次の方法で入手いただけます。
1) 次のリンクをクリックして、必要書類をダウンロードし作成して下さい。
(なお、出願書類一式は印刷したもののみ、郵送にて受け付けます。)
※(1)は必ずダウンロードして下さい。(2)、(3)はいずれか必要なファイル形式のものを選んでダウンロードして下さい。
問い合わせ先
〒814-0001 福岡市早良区百道浜2-4-16
TEL:092-407-0434 FAX:092-407-0474
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