生活習慣編

自律神経と消化管は関係しています。食事や運動など部分的に配慮しつつ全体的な生活のリズムを整えることが、自律神経のバランスを整え、消化管の働きを最大限発揮することにつながります。

適度な睡眠をとりましょう

睡眠不足が続くと、自律神経のバランスの乱れから消化機能が低下し、食欲の減退やもたれなどが起こりやすくなります。最適な睡眠時間は6〜8時間程度ですが、睡眠時間には個人差があります。自分にとって最適な睡眠をとりましょう。

身体に負担のない入浴方法を

食後は、消化吸収のため胃や腸に血液が集まります。 この状態で入浴すると消化管の血液の不足を招き、消化・吸収の働きが低下してしまいます。食事前後は1時間程度の休息が必要です。 湯温39から37度を微温浴といいます。ぬるめの湯は、副交感神経が働いてリラックスし、筋肉をほぐすほか、疲労感の軽減、快眠を促します。

微温浴の場合、入浴時間は15分から30分程度がよいですが、自分の体調に合わせて時間を設定しましょう。また、アロマオイルや入浴剤の使用によって、リラクゼーション効果を高めることができます。

適度な生活活動を取り入れましょう

生活活動とは、身体活動のうち運動以外のものをいい、職業上の活動も含みます。具体的には、歩行、床そうじ、子どもと遊ぶ、介護、庭仕事、洗車、運搬、階段、立位、オフィスワーク、洗濯、炊事、ピアノ等です。このような生活活動は、基本的な体力を保持するうえで大切です。徐々に生活活動種類を増やしていきましょう

感染予防に努めましょう

感染症である風邪やインフルエンザは、体力を消耗させる原因の一つです。栄養や睡眠、運動に配慮することはもちろんですが、清潔の励行に心がけましょう。具体的には、うがい、手洗いを行い、人ごみに行くときや風邪がはやっている時期はマスクを着用しましょう。
また、冬に空気が乾燥すると、鼻やのどの粘膜が乾燥して身体の防御機能が低下し、ウイルスに感染しやすくなります。室温、湿度を適度に保って、感染しにくい環境を整えましょう。

リラクゼーションを心がけましょう

何事にもマイペースが大切です。無理をしてペースを他人に合わせると、心身に負担がかかり体調のバランスを崩すことにつながります。また、緊張感を高めることで自律神経のバランスを崩し消化管に影響します。マイペースを守るためには、つらくなったらスローダウンしたり休んだりするといいでしょう。活動のスイッチをオンにし続けても、集中力の低下や疲れ等によってミスが多くなってしまいます。適度にスイッチをオフにする時間を持つことが、かえって効率の良い活動につながります。

過度な不安や悩みは自律神経を緊張させて、消化管の働きを低下させてしまいます。いつもと違う体調の変化や再発に対する心配等があるときには、早めに病院で相談しましょう。 笑うことで心がリラックスすると、副交感神経が優位になります。その結果、ストレスホルモンが抑制され、免疫の働きも高まります。日々の生活に笑いを取り入れる機会を作るといいでしょう。たとえば漫才、落語、新喜劇等を楽しむこともおすすめします。

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